初夏に目のかゆみや充血が気になる方は、「アレルギー性結膜炎」の可能性があります。
前回は原因や予防についてご紹介しましたが、今回は実際に症状が出たときの正しい治療法やセルフケアについて、眼科医の視点から解説します。
アレルギー性結膜炎の治療法
抗アレルギー点眼薬(抗ヒスタミン薬)
アレルギー反応を抑える第一選択の治療薬です。
症状が軽度の場合はこれで十分改善することも多いです。
- アレジオン、リボスチン、パタノールなど
- 使い始めてから数日で効果が現れることが多いですが、予防的に使うのも有効です。
ステロイド点眼薬
かゆみや充血が強い、抗アレルギー薬では効果が不十分な場合に使われます。
- 医師の判断のもと、短期間・適切な量で使用します。
- 長期使用は副作用(眼圧上昇、感染症のリスク)につながるため必ず眼科の指示に従いましょう。
販薬と処方薬の違いは?
ドラッグストアでも抗アレルギー目薬は購入できますが、「市販薬で効かない」「症状が1週間以上続く」場合は、眼科を受診し医師の処方が安心です。
市販薬 | 処方薬 |
---|---|
軽度のかゆみに対応可能 | 症状に応じた強さの薬を処方できる |
成分や濃度が限られる | 効果が高く、症状に合わせて調整可能 |
自己判断による使いすぎに注意 | 医師の管理下で安全に使用可能 |
自宅でできるセルフケアと生活の工夫
薬と併せて取り入れたい、日常でできる目のケアをご紹介します。
冷やす
かゆみが強いときは、清潔な冷たいタオルなどで目元を冷やすと、かゆみを一時的に和らげられます。
目をこすらない
かゆくてもこすると角膜に傷がついたり、炎症が悪化する恐れがあります。
我慢できないときは、冷やす・人工涙液で洗い流すのが◎
コンタクトの使用を見直す
症状が強い間は、メガネに切り替えるのがベター。
どうしても使う場合は、1日使い捨てレンズがおすすめです。
アレルゲン対策を継続
室内清掃をこまめにし、外出時はメガネやマスクでガード。
帰宅後は洗顔・洗眼で花粉や黄砂を落としましょう。
こんなときは必ず眼科へ
以下のような症状がある場合、アレルギー性結膜炎以外の病気の可能性もあります。自己判断せず、早めの眼科受診が安心です。
- 片目だけが強く赤い・痛い
- 視力が下がった気がする
- 黄色や緑の目やにが出る
- ステロイド目薬を長期間使用している